アイスプラント(塩味野菜)


Mesembryanthemum crystallinumは、南ア西海岸冬降雨地域や世界各地の降水量の少ない場所に生育しています。日本での研究は有明海干拓事業の土の中の塩分減少をこの植物に担わせるところから始まったと聞いています。
現在では、籾殻燻炭をベースにハウス内での水耕栽培が盛んに佐賀県などで行われています。この植物の生育サイクルは夏に発芽し初夏に枯れる1年そうであり、降水量の少ない土中塩分濃度の高い地域で水を吸い塩分を体外の袋に隔離して生きています。近年、幅広く野菜として普及しているのですが、ソルトパン周辺に繁殖しているとも聞きます。この苗は多肉植物ですが保水性の良い培養土で大きな鉢で栽培すると苗も大きくなり、野菜が収穫できるようになります。食べるには海水濃度5倍希釈程度が美味しくいただける濃度で冠水で苗の塩分濃度を若干調節する事も出来ます。弊園の導入は2005年で継続的に冬の野菜として栽培しています。塩分が体内にあるので霜などには比較的強くマイナス3度程に耐える様です。8月の播種後、直ぐに大きくなり10月後半から食べられる大きさになります。1年草なので種子は収穫してください。私は雨の降り込まない軒下で栽培しています。豚しゃぶの野菜になかなかいい物だと思います。近年、真夏にも出荷され、驚いたのですが、これは佐賀の背振山の高地栽培であり春頃に種子を蒔きハウスで栽培しているものと思われます。
園芸的には、塩分が茎の外側の細胞にたまりクリスタルのように光、美しいと思います。野菜として食するのなら、食塩ではなく海水や岩塩使用の方が美味しく頂けます。肉厚のすこしぬめりのある葉で鍋に最適です。

 

にくたま屋